夜になってイトチンから電話があった。 「夕方電話くれてたよね、どうかした？」と聞かれたので、「ううん別に、ちょっと携帯鳴らしてみただけ」と答えた。そっか、と彼は言い、それから「あと三分くらいで着くから、家の前に出てて」と言って電話を切った。…

今日、この公園に来る前に営業事務の面接を受けた。 職安から求人票を持ち帰ったものの、まったく気乗りしない面接だった。製薬会社の契約社員で、給料も安すぎたし、週休二日でもない。それでもここを受けようと決めたのは、母との衝突を避けるためだ。どこ…

目立たないように、嫌われないように、細心の注意を払って生きてきた。 そのはずだった。 それでも私には周囲を苛立たせる何かがあるのかもしれない。 ところどころ塗装が剥がれた木製のベンチに腰掛けてウォークマンから流れる英会話をぼんやりと聞きながら…