2012年9月某日。
男にこっぴどくフラれたり、昔の男(元夫)に死なれたりしました。(ざっくり)
思い詰めて思い詰めて思い詰めて思い詰めて思い詰めて
自分を責めて責めて責めて責めて責めて責めて責めて
ある日
思い詰めることと自分を責めることに突如飽きました。
4ヶ月目のことでした。
いやあ、
あたしったら、
飽きっぽい性格でよかったわ。(えへ
そして2013年2月某日、およそ5か月のブランクを経て、あたしをフッた男から電話がかかってきました。
あたしは携帯電話のアドレス帳から彼の名を削除してはいないし、ましてや着信拒否なんてこともしていないし、なんなら指定割(特定の相手3人までと無料通話できるあれ)もそのまんまです。
未練とかじゃなく(断固!)、ただあたしは、なにひとつアクションを起こしたくなかったのです。
「あんなやつ忘れなきゃ」なんつってアドレスも履歴も全削除して鏡に向かってにっこり笑う、的な?そんなの勘弁。あたしは傷ついてなんかいない。あんなやつに躓いてなんかいない。あいつの番号なんて、あってもなくてもかまいやしない。あたしは自分の携帯電話の中に数ある他の不要なメモリーと同列に、彼を埋もれさせてやりたかったんだ。
なんていうのは嘘です。たった今そういうことにしただけです。
実際は、深く考えることもなくぼんやり過ごしてただけです。
指定割は増やすタイミングで消せばいーやくらいに思っているものの、友達が極端に少ないので今のところまったく必要性を感じていません。auの人、誰かお友達になってください。(先着2名様!
そんなこんなで、数か月ぶりの彼からの電話にあたしは躊躇なく(ちょっとドキドキしつつ)通話ボタンを押しました。
「もしもしー」と言うと、
『…出るんだ』と、彼の(懐かしい)声。
『別に用事はないけど、ただどうしてるかなと思って』
ふうん。
あ、そ。
昨年9月。
この男はとっくに別れたはずの元カノと実はよりが戻っていて、結婚する予定で新居まで決めててなのにそれを隠してあたしともだらだら会っていて、そんであたしとのあんなこと(♡)やらこんなこと(♡)やらがカノジョに携帯メール見られて全部バレて、あたしから去っていきました。
そしてあたしにさよならを告げる時(いや、きちんとした別れの言葉すらなかったな、あいつはただただ事の顛末をあたしに報告しただけだったな)、「俺大殺界やわー」と言いやがりました。どの口が言うか。
さらには「今より難しくはなるだろうけどカノジョの目を盗んで今後も会えなくはない」なんてトンデモ発言もしていました。ロンハーのトライアングル企画を見る度に「こんな男いるかよ!ヤラセか!」て憤っていたけれど、いるんですね。こんな身近にいたなんて。
あたしは彼のことをずっと信用していなくて、なんていうか、何が起きてもメンタル被害を最小限に食い止められるようにずっと心の土嚢袋の準備をしていたのだけれど、でも彼と過ごした最後の夜、ちょっと幸せを噛みしめる瞬間みたいなものもあったりして、もしかしたらこの人のことをもうちょっと信じてみてもいいのかもしれない、信じてみよう、か、な、だなんて(明日起こることをまだ何も知らずに・能天気に)にやにやしてた直後に天から地へと叩き落されました。(詳細は、浅瀬でざばざばしてるやつで。
事件の3日後くらいだったかな、彼が消息不明になったとかで、ひどく取り乱したカノジョから電話がかかってきたりもしました。
「あいつと連絡取れないんだけど!今二人一緒にいるよね!?」
つって。
平日の深夜2時過ぎ、当然寝てた、あんたは無職か知らんがこっちは明日も仕事や。
いませんが(寝てましたが)、とお伝えしても彼女は止まらない。
「ゆうこちゃんだってあいつのことまだ好きなんだろ!?」
「ゆうこちゃんもあいつともっときちんと話し合うべきなんじゃない!?」
「あいついつまでたっても婚姻届けにハンコ押さんし、何回言っても私とマイミクに戻らんし、おかしいと思ってたんよ!」
まずは「おまえ今何時だと思ってんの?」という正論をぶつけながらも、にしても今この状況で「マイミク」て(笑)、とちょっとおもしろいなと思ってしまったのでした。
そして同時に、自分(浮気)とカノジョ(本命)の決定的な差を見せつけられた気がしました。だって、「話し合うべき」なんて発想、あたしにはまるでなかったから。
話し合いって、相手に求めるものがあるから執り行われるんですよね?
ああそうか、この子は、彼にまだ何かをしてもらいたいし、そしてきっと、してあげたいんだ。
そうできる立場にもいるんだ。
完敗、でした。
ちなみにその後彼らがどのような話し合いをしたのかはあたしの知るところではありませんが、彼と、カノジョと、カノジョの両親も交えて話し合った(←カオス!カオス!www彼氏の浮気なんてあたしなら絶対に親には隠し通すけどな!結婚するつもりならなおさら!!wwwww)というその直後、あたしは彼にマイミクを切られました。
ぎゃふん!て思いました。
だって、いきなり彼のマイミク一覧からあたしだけいなくなったらそんなもんいかにも「私たち、このたび男女関係でトラブりまして、えへへ」って宣言してるみたいなもんじゃないですか!
大慌てで「おまえふざけんな!あたしを切るんじゃなくておまえがとりあえずいっぺんmixiやめろや!」とメッセージを送りました。
とりあえずいっぺん、の部分に、(また始めてもいいんだよ)という優しさを込めてみました。
にしても、カノジョといいあたしといい、巷では「オワコン」なんて囁かれるmixiがどんだけ生活の大部分占めてんのさ。世代だなあ。(しんみり
話を、『別に用事はないけど、ただどうしてるかなと思って』に巻き戻します。
彼にそう言われて、あたしはがっかりしていました。
いや別に「きみのことが忘れられなくて…」みたいなドラマ展開を期待したわけではありません。ただ、あたしはなんらかの情報を求めていたのだと思います。俺結婚したんだでも、別れたんだでも、どっちでもいいから。あたしは情報に飢えていた。とにかく知りたかった。知ってどうなるもんでもないのに。
用事はない、という彼の言葉に「はあ…」とだけ力なく答えると
『おまえ腕落ちたんちゃうかー?以前はもっとおもろい返しするやつだったわ!』
て。
こいつマジで何様?
ていうかあたし元々そんな気の利いたレスポンスできるタイプでもないですし。
早くもあんたの中で思い出の中の私の美化始まってんじゃねーわ。
そもそも『別に用事はないけど…』をどうおもしろくせえっちゅんじゃ!人任せにすな!
あと『俺キャプ(テン)つば(さ)のレベルめっちゃ上げてたのにおまえにmixiやめさせられたせいで台無し』じゃねえわ!!!!
まあ
気を取り直して
そういえばあたしには、彼にご報告しておきたいことがあるのを思い出しました。
「前に自転車の鍵なくしたって言ってたやろ?あれ、うちにあった。」
『マジで?そりゃ見つからんはずやわー。』
「捨てたけど。」
『あ、そ?鍵もうとっくに壊したし、別にええけど。』
「(イラッ)」
「『・・・・・・」』
「…結婚したん?」
『してない』
「いつするん?」
『破談寸前(笑)』
「えー、なにそれなにそれ(キラキラ)』
『おまえは何を嬉しそうにしてんねん』
「いやおまえは何をさっきからえらそうに喋ってんねん」
もはや彼に対しては何の愛着もなく、思い返せばそれは何か月も経過したからというよりは、フラれた瞬間からそうだったような気すらしています。
彼のしょーもなさもあたし自身のしょーもなさも、無様すぎてむしろ笑けたというのか、しかも彼にフラれたすぐ後に元夫の訃報を聞いてしまって、なんかもうわちゃわちゃで二股騒動なんて吹っ飛んだというのか。
そして今あたしの脳内は、思い詰め過ぎて思考がこじれちゃって、「元夫の死は二股男のせいだ!(そーだそーだー!)」みたいなことになってしまってもいます。
二股男に対して、あたし自らの手で殺してやりたいとか痛めつけてやりたいとかそういう積極的な憎悪は一切ないけれど(この人のせいで自分の人生台無しにしたくない)、たとえばどちらか一方がそうなるのであれば、それがどうしても仕方のないことなのであれば、元夫ではなくあんたが死ねばよかったのにね、って、とても静かな気持ちで、祈るように思っています。
嘘だけど。
や、嘘じゃないけど。
でも本当でもないけど。
結局のところ、元夫みたいな心根の優しい人には生きづらい世の中を、おまえみたいな糞男(や、あたしみたいな糞女)はのうのうと生き延びるんだよ。
世界は本当に不公平だなあ。
その日以降、二股男からはちょくちょく電話がかかってくるようになりました。
『おまえ、俺が電話してることあいつ(カノジョ)にチクるなよ』
などと言われ、ああ、あたしとカノジョは一体どっちがより可哀そうなんだろう?と疑問に思います。
「ねえ、なんであたしに電話してくるん?散々もめて、反省というか、カノジョに申し訳ないとか思わんの?」
『思うけど…』
「じゃあなんであたしに電話するの?」
『わからん』
「なにそれ、あんた病気なんじゃない?
『そうかも』
あれー?
この人、こんなつまんなかったっけー?
あんたこそ腕落ちたんじゃねえのー?
「あたしは(今は)カノジョにチクったりしないよ。二人の結婚を邪魔するつもりはないし、むしろ二人には結婚してほしいと思ってる。」
そう気持ちを伝えると
『嘘つけや!おまえが俺らの幸せを願うわけないやんけ!』
と彼は答えました。
この人は何もわかってない。
でも、それでいい。
誰がおまえらの幸せを願ってるなんて言ったよ。
あたしはただ、あんたらに結婚してほしいって言っただけです。
結婚して、二人そろって地獄ニ落チロ。
ねえ、あたしにとってあんたのカノジョなんてどうでもいいんだよ。
どうなろうが知ったこっちゃないんだよ。
もしもカノジョがあたしの友人なら、おまえみたいな奴との結婚なんて全力で阻止してやるよ。
でもあたしは、彼がカノジョと別れるなんて認めない。
だってそしたらあなたはまた別の女性と新しくやり直すだけでしょう?
なにそのハッピーエンド。そんなあっさりなリセットなんてされてたまるか。
二股発覚直後、最後にあいつと会ったのはいつだのヤッたのはいつだのいうカノジョからの質問攻めに、あたしは正直に答えました。それがあたしの持ち合わせている最低限の誠実さでした。
けれど、カノジョに聞かれなかったことについてはなにひとつ語りませんでした。
カノジョの知らない、思い及ばないもっと酷い話がある。
いつヤッたとかつきあっていたとかいないとか、そんなもんじゃないもっと生々しい話がある。
でもそれはカノジョには教えてあげない。カノジョが彼との結婚を撤回してしまう決定打になりうる下衆いエピソードは、今は絶対話してやらない。
それは二人が結婚した後までとっておく。
二人が夫婦になったら、ぜーんぶぶちまけてやるんだから。
カノジョは、つまんない男に一生をかけた自身の不甲斐なさをせいぜい呪ってください。
そして彼は、カノジョから向けられる憎悪を全身で受け止めてください。
それでも
それでも二人がちゃんとやっていけたなら、それならもういいから。
あたしはそれでやっと納得するから。
……嘘だけど。
そんなことするわけないじゃんか。
二人が結婚した後に、わざわざカノジョのとこまで出向くわけあるか。めんどくさい。
二人のことなんてもうどーでもいいわ。
ねえ誰か聞いてもらえますか。
あたしもうとっくに解約したSoftBankの携帯を目覚ましとして使ってるんだけど、その簡易留守録に、亡くなった元夫の声が残ってたんです。それはどうということのない、いつかのただの伝言で、
「もしもしもしもし電話してー」
って、それだけ。
うっかり聞いてしまったそれに、あたし崩れ落ちたよね。
どこに電話すんのや!て泣きながらツッコミ入れたよね。
他にもあたしの一人暮らしの部屋にはいまだに彼の痕跡がたっくさん、そりゃあもうたっくさん残っていて、カタチじゃない、人と人を結ぶものは目に見えるカタチだけじゃない、て思いながらも、でもやっぱり真っ当な関係を築いていた者同士には、いろんなことが目に見えるカタチでちゃんと残っているんじゃないかなあって、そう思ったんです。
あたしと二股男には、そういうものがないなあって。
すがる思い出が、ほぼ何もねえ。
…つまり、そういうことなんだなあ、って。
けれどあたしは、元夫との思い出を美化したいわけではありません。
いなくなった人のすべてを美しい記憶に変換して、そんなふうに歪めて愛し続けたくはありません。
彼のことは離婚してからも大切に思っていたけれど、別れたのにはそれなりに理由も事情もあった。あたしは彼のすべてを好きだったわけじゃない。そういうことも、きちんと覚えていたいのです。できる限りありのままの彼を、いいことも悪いこともそのままに留めておいてあげたいのです。
同様に、二股男のことだって、そうしたい。糞男だけれど、糞なりにおもしろい人でした。(あれ、全然上手いこと褒められてないな、ととともかく)そういう部分は、認めていたい。
認めて、そしてちゃんと終わらせたい。
もう彼からの電話には出ない。
出ない。
出ません、てば。
(ほ、ほんとなんだからっ!)
本当はあたし、自転車の鍵、まだ捨てていません。
いやほんとに捨てたろと思ってたんだけど、何ゴミなのかよくわからなくて、めんどうで放置してしまっていました。
あの人が見限ったこの世界は、ゴミの分別ひとつにしても住みづらい世の中です。
ゴルフボールって燃やすゴミなんですって。
CDもだって。
むっず!
(※自治体によって異なります)
糞男を忘れるためにいかなるアクションも起こさない、そうするまでもないと心に決めていたけれど、やっぱりほんの少しの労力は使ってやることにしました。
そんなわけで今あたしは、『これを見ればまるわかり [保存版]〇〇〇市ごみ分別大辞典』のページを捲って、自転車の鍵、の項目を探しています。(ないんですけどw)