4月13日(土曜)
母から連絡がある。
お菓子作りが得意なお友達からチーズケーキを頂いたので食べにおいで、とのこと。もちろん行く。
めっちゃ美味しそう。「どうやったらこのチーズケーキをより美味しそうに見(魅)せられるか」と、スマホのズームを×2.5にして高いところから撮ってみたり(そして椅子から転げ落ちそうになったり)、至近距離までカメラを近づけてマクロ撮影してみたり、「蛍光灯の位置が…」とかぶつぶつ言ってみたり、ケーキをくるくる回したり、試行錯誤しながら撮影。
現実はこんな感じ。
酷い。(チーズケーキに罪はない)
母から「切り分けて」と渡されたケーキナイフを、そのままそっと妹に委ねる。
こういうのは、上手にやれる人にやってもらうに限る。
…んだけど、とは言うものの、8等分に切り分けられたチーズケーキのあまりの均等ぶりに
「さすがにこれは均等すぎん!?ここまで正確に均等にされたらどこをとったらいいかわからないから!!」と憤慨する私。
「チョット何言ッテルノカワカラナイ」と困惑する妹。
ああ、思い返せばこの子は子どもの頃からずっとそうだった。いつだって無駄に完璧に仕事をこなす。
まあ8等分に切ったものの、姪っ子(ただいまパパとお出かけ中で不在)はどうせ食べないだろう。
小2の姪っ子は、お土産の高級菓子とかコンビニスイーツとかの類を全然喜ばない。「そんなもんよりグミくれ、グミ」て言う。合成着色料にまみれた駄菓子が大好き。
「メイ(姪)ちゃんは、きっとチーズケーキなんていらんよね」と私。
「うん、絶対」と妹。
父、母、妹、妹夫…(ブツブツ)、うん、3切れ余る…2個、(ないしは3個)イケる…
「〇〇さん(ケーキをくれたお友達)ってね、ずっと専業主婦だったんだって」と母。
「へえ」
「ご主人が、専業主婦でいてくれって人なんだって。結婚する時、仕事しないことを条件に出されたんだって。仕事せずに家にいてくれさえすれば、あとは何をしてもいい、自由にやってくれていいって。」
「なにその超絶うらやましい条件!じゃあ遊ぶのは好きなだけ遊んでいいってことよね!?」
「うん、だから習い事とかサークルとか、多趣味でいっつも忙しくしてる。沖縄旅行にもよく行ってるらしい。」
「うーらーやーまー!!え、旦那さんは何してる人?」
「〇〇〇〇(東証プライム上場企業)」
「なるほど…」
でもさ、と私と妹はこっそり言い合う。
「専業主婦でいてくれって、結果利害は一致するものの、どうなんだろうね」
「マインドが、ね」
「プライド高そう、ちょっとしんどいかも」
「働いても働かなくても(家事もしてもしなくても)どっちでもいいよ、て言ってほしいね」
「あーそれいいねー」
と好き勝手なことを言い合う。
「私が作るよりお友達のチーズケーキの方が断然おいしい。何が違うんだろう?」と母が首をかしげる。
実は母も、ケーキをよく作ってくれる。チーズケーキとか、ティラミスとかスポンジケーキとか。クリスマスにはシュトーレンとか。
「そんなことないよ、お母さんのも美味しいよ、ていうか似たような味よ?」と私と妹。
「いや違う」
「いやほぼ一緒」
「違う」
「一緒」
じゃあ食べ比べてみよう、ということになって、翌日、母がチーズケーキを焼いてくれることとなった。
4月14日(日曜)
2日連続でチーズケーキを食べに実家へ行く。
私が行った時にはもうだいぶなくなってたけど、美味しそう(に撮れた)!
(現実)
思惑通り昨日余った残りと、母作のチーズケーキを交互に食べる。
確かに、味、全然違った。
「お友達の方が、めちゃめちゃ甘い。こっち食べた後にお母さんの食べると、ほぼ豆腐」
「豆腐…?」母がピリつき、しまった、と思って
「といっても、京都とかそこらへんの、マイルドな口溶けの、特別な、豆腐…?」と付け加える。
「お母さんのは、シンプルな味よね。こっちがコープ自然派で、お友達のはイオン、的な…(失言じゃありませんよね、ドキドキ)」
実際どちらも美味しかった。違うというだけで、優劣はない。味の薄さで言うなら、りくろーおじさんが断トツで薄い。
ところで実家には、会社の旅行のために先週デパートで買ったスニーカーを履いて行った。
皆の意見を聞こうと思って。(それに靴を履き慣らしておこうとも思って)
↓会社の旅行のために慌ててスマートカジュアルな服とか靴とか買いに行った話
あと、パンプスも持って行った。私まともなパンプスなんて一足も持ってないと思ってたけど、そういえば昔「走れるパンプス」てやつを楽天で買ってたんだった。すっかり忘れていた。
最初に父に見せて「会社の旅行にどっちがいいと思う?」と聞くと、「こっち」と即答でパンプスを指差された。
「えええっ!?」
びっくりした。
「え、待って、じゃあ、スマートカジュアルとか会社とかそういうの全部取っ払って、単純に、デザインはどっちがオシャレ?」
「こっち」(父、パンプスを指差して)
「ええええ!?嘘でしょ!?いやこれ値段10倍から違うんですけど!!(勿論パンプスが安物なんですけど!!)」
「え…、いや…、ほら、父さんは年寄りだし、若い人の感覚はわからんから…」
ともじもじする父。
「ちょっと、行ってくるわ!」と、右足にスニーカー左足にパンプスを履いて、実家から数軒先の妹宅に見せに行った。
妹も、「こっち」(※パンプス)。
暫くして買い物から帰ってきた母も、「こっち」(※パンプス)。
ぇぇええええええええええぇぇえええ…
ちなみにあんな自信無さげだった父は、妹もパンプスを選んだと知った途端「ほら見たことかああ!いかにおまえのセンスがないか思い知ったかあああ!」みたいに態度を豹変させた。
驚きのあまりあわあわする私に、3人が口々に
「でも、旅行なんだし、履きやすい方が絶対いいよ。こっちのスニーカーがいいよ。」
と慰めてくる。
「いやいやいや。私の想定ではね、どっちがいい?て聞いたら、『断然スニーカー、ひゃくぜろでスニーカー、高級感があってデザインもお洒落ー!』て返ってくるはずだったんよ。そんで、『でっしょー?し・か・も!履き心地もスニーカーの方がめっちゃいいんよー!』てなるはずだったんよ。それをそんな起死回生の言い訳見つけたみたいな感じで「履き心地が…」とか言うのやめてもらえますか。」
妹)「あっ、わかった!パンプスの方は、見慣れてるからしっくりくるだけかも。スニーカーはいま初めて見るからぴんとこないのかも。スニーカーも履いてるうちにだんだん良く見えてくるよ。スニーカーがいんじゃない?」
私)「あのね、あなた達はパンプスなんて全然見慣れてないのよ。だってこれ私も持ってるの忘れてたくらい全然履いてなかったんだから。そういや昔法事で1回履いたっけかなー?くらいのもんだから。それに、パンプスはそもそもデザインが気に入ったわけじゃなくて価格と実用性で妥協しただけなの、一方スニーカーは一目惚れ(べ、別にほんとはそこまでじゃないけど///)だったから!」
妹)「……。」
妹)「…ていうかさあ、ぶっちゃけ、どっちこっちないから。」
私)「(えっ…?)」
妹)「どっちも、フツー。ただ私は、姉ちゃんがどちらかを選ぶのに背中を押してもらいたいんだろうなーと思って、どちらを言ってあげたらいいんだろうって、その「さて、どっち?」の2択に敗れただけだから。」
ぇぇええええええええええぇぇえええ…(どっちも同じくらいフツー!?)
ちなみにパンプスがこれ(私が買った当時はもう一声安かった)
スニーカーがこれ
誰か意見聞かせてもらえませんか。
(つってもブログのアクセス数なんて1日あたり基本0~2なんですけど奇跡起これ)
でも、お友達と遊んでて帰ってきた姪っ子(小2)だけは、「うーん、こっちー?」ってスニーカーを選んでくれました。2択に勝利。
しかも「でも、こっち(パンプス)のも、ヒモがバツになってるのがかわいいと思うよ」とも言ってくれました。心根の優しい子に育ってくれてるみたいでおばちゃんは嬉しい。